高級なコーヒーと聞いて思い浮かべるのはどんなコーヒーですか?
恐らく多くの方は「ブルーマウンテン」や「ハワイコナ」などを思い浮かべるのではないでしょうか。
しかしそれ以外にも、スターバックスがドリップコーヒー1杯を2000円で販売したことがあるほどの超高級なコーヒーがあるんです。
その名前は「ゲイシャ」。
どこで栽培されているのか、どんな味なのか、なぜ高いのか…などたくさんの謎に包まれている「ゲイシャ」の秘密に迫ります!
ゲイシャは生産地の名前ではなかった!
コーヒーは「ブラジル」や「エチオピア」、「グアテマラ」など様々な地域で栽培されており、生産地の環境によって味わいが変化することから生産地がそのまま名前となることが多いです。
一方で「ゲイシャ」というのは生産地ではなく品種の名前。そのため、「エチオピア」のゲイシャもあれば「パナマ」のゲイシャもあります。
一般的には品種名が表に出ることは少ないのですが、ゲイシャ種はその優れた香味から「ゲイシャ」というブランドとなっており、生産地よりも重要な要素としてアピールされています。
▽コーヒーの名称の例
①ブラジル シティオムツカ レッドカトゥアイ (左から生産地・農園・品種)
→ 「ブラジル」という名前で販売されることが多い
②エチオピア シダモベンサボナズリア (左から生産地・生産エリア)
→「エチオピア」という名前で販売されることが多い
③エチオピア ベンチマジ カルマチェ ゲイシャ (左から生産地・生産エリア・農園・品種)
→「ゲイシャ」という名前で販売されることが多い
ゲイシャの持つ特徴とブランド力が生産地のそれを上回るためアピールされているんですね!
ゲイシャが有名になるまでの軌跡
高級なコーヒーと言えば「ブルーマウンテン」や「ハワイコナ」などが古くから有名ですが、「ゲイシャ」が有名になったのは2000年代に入ってからです。
なぜ優れた味わいを持つゲイシャがそれまで有名ではなかったのでしょうか?
ゲイシャコーヒーのルーツに迫ります。
20世紀前半にエチオピアで発見されたゲイシャ
ゲイシャは1931年にエチオピアで発見されたと言われています。そして、この時発見された場所がエチオピアのゲシャ地区であったことからゲイシャという名前がつきました。
当初は味わいではなくさび病対策として普及
ゲイシャはエチオピアで発見された後、パナマなどの中南米に広がっていきます。しかしこれはおいしさからではなく、コーヒー栽培の天敵であるさび病への対策として広まったものでした。
今ではブランドとして確立されているパナマ ゲイシャですが、栽培することになったのは耐病性を評価されてのことだったのです。
”幻のコーヒー”となったゲイシャ
しかしゲイシャは幻のコーヒーとなってしまいます。
その理由は「収穫の難しさ」。ゲイシャ種は育つための環境条件が限られており、標高や気候、土壌や水などゲイシャ種の栽培に適した場所でないと生育できません。
さらに、1本の木から収穫できるコーヒーチェリー(コーヒーの実)の数は他の品種の半分以下です。
また、さび病への耐性が優れていると期待されて広まったものの、一定の標高以下では効果がないなど、万能ではありませんでした。
そのため、多くの農家がゲイシャ種の栽培を取りやめてしまったのです。
収穫が難しく生産量が少ないからこそ、希少なコーヒーになったんですね。
ゲイシャを一躍有名にした「ベスト・オブ・パナマ」
幻のコーヒーとなり、世界から忘れられていたゲイシャが有名になるきっかけとなったのが、2004年にパナマで開催されたコーヒーの国際品評会「ベスト・オブ・パナマ」です。
この品評会でゲイシャは、当時の史上最高落札額を更新して優勝し世界中の注目を集めたのでした。
さらにゲイシャは快進撃を続け、4年連続ベスト・オブ・パナマで優勝を果たすなどその名を世界中に轟かせています。
ベスト・オブ・パナマでの4連続優勝は本当に異例で、オリンピック4年連続優勝するほどの快挙と言っても良いレベルです!!
まるで紅茶?ゲイシャコーヒーの特徴
品評会で史上最大級の評価を受け、世界からの注目を集め続けているゲイシャコーヒー。
一体どんな味なのでしょうか?実際に購入して飲んでみましたのでその感想も合わせて紹介します!
華やかな香りとフルーティーな味わいのゲイシャ
”高級なコーヒー”であるゲイシャコーヒーはコーヒー玄人に好まれるイメージがあるかもしれませんが、むしろコーヒーが苦手な方にこそおすすめしたい味わいです。
一般的なコーヒーの味として思い浮かべる苦味や雑味がほとんどなく、まるで紅茶のような華やかな香りとフルーティーな味わいが特徴的。
ゲイシャコーヒーを知らない人が飲むと「え、こんなコーヒーがあるの?」と疑問に思うほどなんです。
コーヒーの苦味が苦手という方は、ぜひ一度ゲイシャコーヒーを飲んでほしいです。
ゲイシャコーヒーを実際に飲んだ感想
近所のコーヒーショップに100gで1800円のゲイシャの豆(生産地はエチオピア)が販売されていましたので、購入して実際に飲んでみました!
その感想はと言うと…
一口飲んだだけではっきりと違いがわかりました…
普通のコーヒーでは感じられない圧倒的な華やかさを持っており、オレンジやレモンのような風味を感じました!
味覚の鋭くない筆者にもはっきりとわかる違いがそこにありました。
ぜひ皆さんにも一度体験してほしい味わいです!
▽筆者がゲイシャコーヒーを飲んで感じたこと
・とてもフルーティーでまるで紅茶のような味
・ブラックで飲むことで、よりゲイシャのおいしさを感じられる(華やかな酸味があるためミルクを入れるのは合わないかも…)
・一緒にお菓子を食べる場合、コーヒーに合いそうなお菓子よりもフルーツティーに合いそうなお菓子の方がおすすめ
気になるゲイシャコーヒーの価格は?
筆者が購入した豆もそうですが、ゲイシャは一般的なコーヒー豆と比べて2〜3倍の値段で販売されていることが多いです。
(同じゲイシャ種の豆でもランクによっては安価に購入できたり、逆に信じられないほど高価な場合もあります。)
価格が高いのは前述の通り、「収穫が難しく生産量が少ない」から。また、急傾斜地で栽培されることの多いゲイシャ種は収穫の際に機械を使用することが難しく、手作業で収穫することが多いです。そのため人件費も上乗せされることになります。
高価ではありますがネット通販でも購入することができるため、ぜひ一度飲んでみてほしいです!
唯一無二のコーヒー「ゲイシャ」
ゲイシャコーヒーは高価なコーヒーではありますが、その価格に見合った驚きを与えてくれるコーヒーです。「こんなコーヒーがあったんだ!」と知ることはあなたに新しい価値観を与えてくれるでしょう。
飲んだ瞬間に、”コーヒーなのにコーヒーじゃない。”と感じる唯一無二のコーヒー「ゲイシャ」を体験して、あなたのコーヒーライフをより良いものにしてくださいね!