皆さんは粕谷哲さんをご存知ですか?
2016年に行われたWorld Brewer Cupで優勝し、世界チャンピオンとなった日本人バリスタです。
優勝の際には「4:6メソッド」という、粕谷氏が考案した誰でも簡単においしいコーヒーが淹れられる抽出法を利用したことで世界中で話題となりました。
そんな粕谷氏がプロデュースしたドリッパーがあります。
その名も「HARIO V60ドリッパー 粕谷モデル」。誰でも簡単においしくという粕谷氏の思いを込めたドリッパーです。
淹れる人が味を作ることができる”HARIO V60ドリッパー”
世界一のバリスタである粕谷氏がプロデュースしたV60ドリッパーが気になるところですが、そもそも通常のV60ドリッパーはどんな特徴を持ったドリッパーなのでしょうか?
その特徴を紹介します。
円すい形ドリッパー
2004年に誕生したHARIOのV60ドリッパーは円すい形が特徴的なドリッパーです。
従来の扇形のドリッパーと比べるとドリッパー内のコーヒー粉の底面積が小さいため、粉の層を深くすることができます。また、注いだお湯がドリッパーの中心に向かって流れることでコーヒー粉とお湯の触れる時間が長くなり、成分を多く抽出することができるのが特徴です。
円すい形を横から見た時にVに見えること、またその角度が60°であることから、V60ドリッパーという名前になっています。
抽出口が大きなひとつ穴
抽出口が大きなひとつ穴であるメリットは、抽出速度がドリッパーに制限されない点にあります。
よくある3つ穴のドリッパーや小さな1つ穴のドリッパーはお湯をどれだけ投入しても、抽出口で滞留してしまうため抽出速度がドリッパーの性能に依存します。
一方、V60ドリッパーではネルドリップのように自由に抽出ができるため、お湯を注ぐ速度によって全く別の味わいのコーヒーを楽しむことができます。
抽出速度によってコーヒーの味わいが変えられるというのは魅力的ですが、裏を返せば安定した抽出が難しいということ。「4:6メソッド」をマスターしてV60ドリッパーの性能を最大限発揮しましょう!
ドリッパー内部の凸凹がスパイラル状
ドリッパーとペーパーの間に空間を設け、蒸らしを邪魔することなく空気がしっかりと抜けるように、ドリッパー内部の凸凹(リブ)は独自のスパイラル形状を採用しています。
抜けの良いドリッパーではありますが、このリブ形状のおかげでしっかり蒸らすことが可能です。
プロのバリスタも御用達
V60ドリッパーはコーヒーのおいしさを最大限楽しめるように考え抜かれており、多くのコーヒー愛好家に支持されるドリッパー。一般の方だけでなくプロの現場でも選ばれており、世界でも75以上の国と地域で使用されています。
V60ドリッパーがカウンターにぶら下がっているカフェは多いですよね!
粕谷モデルは通常のV60ドリッパーと何が違う?
ここまでは通常のHARIO V60ドリッパーについて紹介しました。すでに十分考え抜かれたドリッパーであり改良するところなどなさそうですが、粕谷モデルのV60はどこが違うのでしょうか?
”誰でも簡単においしく”という粕谷氏の思いがこもったドリッパー「HARIO V60ドリッパー 粕谷モデル」を紹介します。
粗挽きでもゆっくり抽出することができる
粗挽きにしたコーヒー豆はコーヒーの成分が抽出されづらいため、雑味が少なくなる一方で本来抽出したい甘味などの成分も引き出しづらいという特徴があります。
そのため、粕谷モデルではリブ形状をカスタマイズすることによりお湯がゆっくりと落ちるように設計。粗挽きの豆でも十分に甘みを引き出すことを可能にしています。
粗挽きならではの甘みとすっきりとした透明感のあるコーヒーを淹れることができるドリッパーです。
粗挽きにした豆を使うこと推奨している抽出方法「4:6メソッド」と相性の良いドリッパーと言えますね!
優れた耐久性ときめ細やかな手触りを両立した「有田焼」のドリッパー
通常のドリッパーはプラスチック製のものが多く、軽量で便利である一方、長年使用しているとひび割れや変形が生じることも。
粕谷モデルのV60ドリッパーは磁器製のため耐久性が高く、ずっと使っていける安心感があります。
また、ただの磁器ではなくなんと「有田焼」。有田焼ならではのきめ細やかな手触りやデザインも楽しめます。
機能だけでなくデザインも改良された粕谷モデルのV60ドリッパー。あなたの所有欲を満たしてくれること間違いなしです。
実際に粕谷モデルを使ってコーヒーを淹れてみた
実際に粕谷モデルのV60ドリッパーを使用してみましたので、その使用感についてレビューしていきます!
外観からわかるこだわり
これぞ有田焼という美しい仕上がりのドリッパーで持つだけでワクワクしてきます。
内側のリブもくっきりと深くスパイラルが入っており、じっくりと抽出していけることが伺える見た目です。
安定感のある重量
磁器製のため、重量は少々重めの448.5gです。
「重くて取扱いがしづらいのでは?」という意見もあるかと思いますが、個人的には重いと感じるほどではなく、むしろこの重量によってドリッパーが安定するため安心感を感じました。
ちょっとした弾みでドリッパーに手が当たって倒した経験がある私にとっては嬉しいポイントです。
じっくりと甘みを引き出せる抽出速度
粕谷モデルの特徴は粗挽きでもじっくりと抽出ができるという点。
これは使用した瞬間に実感できました!
お湯がドリッパーにホールドされている感じがあり、じっくりと抽出されているのがわかります。
特に粗挽きの豆では、通常のV60ドリッパーは「スッ」とお湯が落ちていくのに対し、粕谷モデルでは「じわーっ」と落ちていく感覚がありました。
また、ドリッパーを洗う際にも流した水が渦を巻いて抽出口付近で滞留するのが見て取れ、通常のドリッパーとの違いがよくわかりました。
甘みを感じられる味わい
粕谷モデルで抽出したコーヒーはわかりやすく言うと「濃度が高い」コーヒーでした。粗挽きにした豆でも酸味以外の味わい(特に甘味)が感じられます。
通常のV60ドリッパーで粗挽きの豆を使ってコーヒーを淹れるのは私にとっては少し難易度が高く、酸味ばかりが目立つコーヒーとなっていたので、この違いには正直驚きました。
「甘い」と感じられるコーヒーを自分で淹れられたのは初めてで、嬉しくなってしまいます。
逆に細挽きにした豆を使うときは濃くなりすぎてしまったので、普段より早めにお湯を注ぐ意識を持つ必要があるように感じました。
コーヒーに甘みを求めるなら「HARIO V60 粕谷モデル」がおすすめ
誰でも簡単においしいコーヒーを淹れられる抽出方法「4:6メソッド」。粗挽きにした豆を使用することで、雑味が少なくすっきりとした味わいのコーヒーを楽しむことができます。
一方で、「ボディのしっかりした濃いめのコーヒーが好き」という方にとっては少々物足りないことも。
そこで試していただきたいのがこの「HARIO V60 粕谷モデル」です。粗挽きの豆を使用しても、お湯をしっかりとホールドしてくれるためより濃厚なコーヒーの甘みを感じることができます。
ぜひ粕谷モデルのV60ドリッパーで、コーヒーの甘みを感じてみてください。
粕谷モデルのドリッパーと4:6メソッドの組み合わせは最強です!!
▽4:6メソッドの詳細はこちらの記事をご覧ください