豆の挽き方でコーヒーの味は変わる|抽出器具に合わせたおすすめの挽き方を解説

ミルに入った豆の拡大画像

「挽きたてのコーヒーはおいしい」これは紛れもない事実ですが、豆の挽き方によってコーヒーの味わいは全然違うものに。
また、コーヒーを抽出する器具ごとに最適な豆の挽き目(挽いた豆の細かさ)は異なり、それぞれに適した大きさに挽く必要があります。

これだけを聞くと「豆を挽くのって難しそう…」というイメージになるかもしれませんが、基本さえ覚えてしまえば大丈夫!
今回は、挽き目による味わいの変化や抽出器具に合わせた適切な挽き目について解説します。

目次

なぜコーヒー豆は挽かなくてはいけないの?

?マークを持った女性

そもそもコーヒー豆を挽く理由をご存知でしょうか?
豆のままでも挽いて粉にした状態でも豆そのものの味は変わりません。

しかし、豆を挽くことでコーヒーをおいしく淹れられるようになります。

表面積を大きくし、成分を抽出しやすくする

ドリッパーにお湯を注ぐ

豆を挽く理由を端的にまとめると「コーヒーの成分を抽出しやすくするため」です。豆を挽かず、そのままの状態でも成分を抽出することはできなくはないのですが、お湯と豆の触れる面積が小さいため相当な時間がかかってしまいます。

そのため豆を挽いて粉にし、お湯と触れる面積を大きくすることでコーヒーの成分を抽出しやすくしているのです。

挽いた後の保存期間は?

キャニスターに入ったコーヒー豆

コーヒー豆を挽くと表面積が大きくなり、お湯と触れる面積が増えます。
つまりそれは、空気と触れる面積が増えるということでもあり、劣化するスピードも速くなってしまうんです。

そのまま長期間保存すると本来の風味が失われていってしまうため、挽いた豆は2週間以内に飲み切るようにしましょう。
どうしても長期間の保存が必要になってしまった場合は、ジップロックなどに入れて空気が触れないようにした後、冷凍庫で保存してください。

冷凍庫は低温かつ低湿度で光も当たらないため、コーヒー豆の保管には適しています。しかし、徐々に劣化は進むため1ヶ月を目安に飲み切るようにしましょう。

挽き方は全部で5種類|細かく挽くほど濃く抽出される

挽き目一覧

コーヒー豆の挽き方は目の粗さ(挽き目)によって大きく5つに分けられ、それぞれに特徴があります。

細かく挽けば成分が抽出されやすく、逆に粗く挽けば細かく挽いた時と比べ、成分は抽出されづらくなります。
ここではそれぞれの挽き目の特徴や使い分けについて解説します。

極細挽き

極細挽きは、コーヒーの成分が最も抽出されやすい挽き方です。
そのため渋みや苦味も強く出てしまいやすく、ペーパードリップなどの一般的な抽出方法には向いていません。
極細挽きにした豆は、エスプレッソのように短時間で一気に抽出する場合に使用しましょう。

ちなみに極細挽きは「上白糖のような細かさ」と例えられることが多いですが、実際にはほとんど粒感のない粉状となっています。

細挽き

細挽きは極細挽きほどではないものの、比較的成分が抽出されやすい挽き方で、濃いめの味わいのコーヒーを淹れることが可能です。
お湯ではなく水でも十分に成分を抽出することができるのため、水出しコーヒーにもよく使用されます。

なお、挽き目はグラニュー糖よりは細かく上白糖よりは粗いというのが目安になります。

中細挽き(基本の挽き目)

最もスタンダードな挽き目がこの中細挽きで、グラニュー糖と同じぐらいの粒度です。
ペーパードリップやコーヒーメーカーなど、一般のご家庭でもよく使われる抽出方法には中細挽きが適しています。

「中細挽きが挽き目の基準」であるということを覚えておきましょう。

COFFEE HACK 編集部

挽き目に迷った時は中細挽きがおすすめです!

中挽き

中挽きはグラニュー糖とザラメの間ぐらいの粒度で、人によっては「粒が大きいな」と感じるようになります。
挽き目が粗いほどコーヒーの成分が抽出されづらいため、お湯と接している時間が長い抽出方法(ネルドリップやサイフォンなど)を用いる際におすすめの挽き方です。

すっきりとしたコーヒーがお好きな方は中挽きを試してみてください。

粗挽き

粗挽きはザラメと同じぐらいの粒度で、粒がかなり大きく感じられます。

ここまで粗いと成分の抽出がしづらいのですが、じっくりと時間をかけて淹れる場合や金属フィルターなど目が粗い器具で淹れる際には粗挽きにした豆が使われます。

ハンドドリップは中細挽きが基本|抽出器具ごとの適した挽き目

ミルとコーヒー豆

先ほど紹介したとおり、コーヒー豆の挽き方は中細挽きが基本です。
しかし、抽出に使う器具によっては中細挽きでは味が濃くなりすぎたり、逆に薄くなりすぎてしまう場合もあるため、使用する器具に合わせた挽き目を選択することが重要になります。

ドリッパー(ペーパーフィルター)

コーヒーを抽出中に膨らんだ粉

一般的な抽出方法であるドリッパー。こちらを使って抽出する場合は「中細挽き」がおすすめです。
バランスの良いコーヒーを淹れることができます。

中細挽きがおすすめですが、ドリッパーの抽出口の数や大きさによっては他の挽き目の方が相性が良い場合があります。使用しているドリッパーの説明書を確認するなどして相性ぴったりの挽き目を選んでくださいね。

ドリッパー(金属フィルター)

金属フィルターでコーヒーを抽出

金属フィルターはペーパーフィルターと異なり、フィルターの目が粗いため細かく挽いた豆を使用すると液体とともにフィルターを通過してしまう可能性があります。また、ペーパーフィルターよりも時間をかけて抽出するため、「中挽き」がおすすめです。

金属フィルターならではのオイリーなコーヒーを楽しみましょう。

ネルドリップ

ネルドリップの様子

一般的なドリッパーと同じくハンドドリップで用いられるネルですが、こちらはペーパドリップよりも少し粗めの「中挽き」がおすすめ
ネルドリップは抽出速度が遅くコーヒーの濃度が高くなりやすいため、挽き目を粗くしてバランスを取りましょう。

コーヒーメーカー

コーヒーメーカーに粉をセットした状態

一度に多くの量を抽出することのできるコーヒーメーカーは家庭でも使用される機会が多いのではないでしょうか。
こちらのおすすめの挽き目は「中細挽き」です。近年のコーヒーメーカーはハンドドリップに近い味わいのコーヒーを淹れられるものが多いため、挽き目もハンドドリップで使用するものと合わせるのが良いでしょう。

エスプレッソマシン

エスプレッソマシンで抽出する様子

エスプレッソは短時間に高い圧力をかけて一気に抽出するため「極細挽き」にした豆を使用します。
粗く挽いたものを使用すると、成分がほとんど抽出されないため覚えておきましょう。

フレンチプレス

フレンチプレスでコーヒーを抽出する様子

フレンチプレスも金属フィルター同様に目が粗いため、「中〜粗挽き」の豆を使用する必要があります。
コーヒー豆の持つ本来の味わいを最もダイレクトに感じることのできる抽出方法なので、皆さんもぜひ試してみてください。

水出し

テーブルに置かれたアイスコーヒー

水出しコーヒーは、お湯ではなく水を使用するため温度が低くコーヒーの成分が抽出されづらくなります。
そのため、「細挽き」にした豆を使用し、じっくりと時間をかけて抽出しましょう。

豆を挽く時は使用量と粒度をよく確認しよう

頭を抱える女性

挽きたてのコーヒーはおいしいですが、挽き方を間違えると逆効果になることも…
豆を挽くときは最低限次の2つのポイントは抑えるようにしてください。

「その量すぐに使う?」飲む量に合わせて豆を挽く

コーヒーの粉とスプーン

前半でも紹介したとおり、コーヒー豆は豆のままの状態よりも挽いた後の方が劣化のスピードが速くなります。

その都度必要な分だけ豆を挽くというのは少し手間がかかるかもしれませんが、コーヒーの鮮度にもこだわり、最高の状態でコーヒーを楽しみましょう!

重要!挽く前にミルの設定を確認しよう!

ミルに入った豆2

手動、電動に関わらず多くのミルには挽き目を調節するネジやダイヤルが付いています。
1度適切に設定したからといって安心せずに、挽く前には確認するようにしましょう。

使用によって緩んでいたり、手や物が当たって設定が変わってしまっていることがあります。
せっかくの挽きたての豆が台無しになってしまわないように注意するようにしてください。

COFFEE HACK 編集部

フレンチプレスで使用するための豆を誤って細挽きにしてしまい、粉まみれのコーヒーが出来上がったこともあります…注意しましょう…

挽きたてコーヒーで最高のひと時を

楽しそうにコーヒーを淹れる女性

コーヒーは奥が深い飲み物で、挽き方だけでも考えることがたくさんあります。
しかしだからこそハマれるのではないでしょうか。

使用する抽出器具やその時飲みたい味によって挽き方も調節してみてください。
挽きたての香り豊かな豆で、あなただけの最高のコーヒーを淹れましょう。

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