家庭でも手軽に楽しめるペーパードリップ。
でも実は使うドリッパーの種類によって、コーヒーの味わいは驚くほど変わるんです。
それぞれのドリッパーには構造や形状に違いがあり、そこから生まれる「抽出時間」「お湯の流れ方」「成分の出方」によって、苦味・酸味・コクのバランスが変化します。
ヤマダドリッパーの特徴を理解して使い分けることで、自分好みの味を自在にコントロールできるようになるんです!
コーヒーの味に変化を生む要素


コーヒーを淹れる作業は、焙煎豆に含まれる様々な成分の抽出量をコントロールし、味のバランスをとる作業です。
豆の種類や焙煎度だけでなく、同じ焙煎豆でも
①湯の温度
②粉の大きさ
③抽出時間
などの抽出条件を変えることで、コーヒー液の総量に占める各成分量が変化します。



ドリッパーは、その構造によりコーヒーの粉と湯が接する時間が異なるため、③抽出時間に影響し、味わいにも変化が生まれるのです。
ドリッパーの種類と味の違い
コーヒードリッパーの主な違いは本体の形状、底の穴の数や大きさ、リブの数や長さにあり、それらの組み合わせによって抽出時間や粉の膨らみ方が異なります。
カリタ式


台形型で底に穴が3つ。リブは長く、コーヒーを「こす」という考え方に基づきます。
長いリブによりペーパーとドリッパーの間にほど良い空間が生まれ、湯がストレートに通過するため、素早く抽出され、さっぱりとした味わいのコーヒーが抽出できます。



湯を注いで30秒蒸らし、その後4〜5回に分て抽出量を注ぎます。
メリタ式
台形型で底に穴が1つ。内側のリブは本体の途中から走っており、湯を滞留させて「煮出す」という考え方です。
ゆっくり抽出されるため、味わい深いコーヒーが抽出されます。



湯を注いで30秒蒸らし、抽出量の湯を一気に注ぎます。細挽き用の器具です。
ハリオ式


円錐型で大きな穴が1つ。リブは長く螺旋状に渦を巻いて走っています。
注ぎ方により抽出速度をコントロールできるのが特徴。
素早く注ぐとスムーズにお湯が落ちるため、あっさりとした軽い口当たりに。ゆっくり注ぐと抽出時間が長くなるため、コーヒーの成分がより多く溶け出し、コクや甘みが強調されたどっしりとした味わいになります。



30秒蒸らし、湯を好みの速度で中心より渦状に注ぎます。
コーノ式
円錐型で大きな穴が1つ。リブは短く、側面の途中から底近くに向かって真っ直ぐに走っています。
縁周辺にはリブがなくペーパーがドリッパーに密着しやすいため、雑味やエグ味が染み出るのを防ぎ、クリアなコーヒーに仕上がります。
湯が中心から周囲へと浸透し、下に集中して落ちるため、コーヒーの風味や味をしっかり抽出できます。



蒸らしの工程は不要で、湯を粉に浸透させるような感覚で少量ずつ注ぎます。
その他
ペーパー表面の穴の大きさなどによっても濾過のされ方が変わるため、使用するペーパーによってコーヒーの味も変化します。
そのため、各メーカー推奨のペーパーフィルターを使用するのがおすすめです。
最後に
コーヒーの抽出は、まさに化学です。
ドリップの方法ひとつをとっても、そのメカニズムを理解することで、コーヒーを淹れる工程もより楽しい時間となります。



ぜひ、ドリッパーの構造を意識しながら、自分好みの味の探求を楽しんでください。




