おいしさを決めるのは「水」だった！軟水と硬水、コーヒーに適しているのは？

2024年4月2日2024年10月18日

「おいしいコーヒーを淹れたい」と思った時にまず考えるのは、どんなコーヒー豆を使うかではないでしょうか？
確かにコーヒー豆によってコーヒーの味は大きく左右されます。

しかし、コーヒーのおいしさを決める要素はそれだけではありません。
実は「水」が大きな鍵を握っていたんです！
今回は普段あまり注目されることのない「水」がコーヒーに与える影響について解説していきます。

カップに注がれたコーヒーの大部分は「水」

忘れがちではありますがコーヒーは液体であり、そのほとんどは水で構成されています。
つまり、大部分を占める水こそがおいしいコーヒーを淹れるための鍵を握っているということは言うまでもありません。

しかし、コーヒーに適した水とはどんなものなのでしょうか？

水は軟水と硬水の2つに分けることができます。軟水と硬水はその水に含まれているミネラルの量で区分され、一般的にはミネラルの少ない軟水がコーヒーに適しているとされています。

なぜならコーヒーの苦味成分はミネラルと反応しやすいため、ミネラル含有量の多い硬水で淹れるとコーヒー本来の風味を感じづらくなってしまうのです。

では、軟水と硬水はどのような基準で区分されているのでしょうか。
WHOによって定められている基準は以下の表のとおりです。

ちなみに日本では、硬度0～100mg/lを軟水、101～300mg/lを中程度の硬水、301mg/l以上を硬水と区分するのが一般的。
また、日本の水道水は軟水であることから日本人にとっては軟水が最も馴染み深い存在です。

とある東京大学の研究によると日本の水道水の硬度は48.9mg/Lとなっており、軟水であることがわかります。

では具体的に、水の硬度によってコーヒーの味わいはどのように変化するのでしょうか。
WHOによる分類を元にそれぞれの水で淹れたコーヒーの特徴を紹介します。

コーヒーの苦味成分が溶け出しにくい軟水は、マイルドな舌触りのコーヒーを楽しむことができます。
水道水だけでなく日本で製造されているミネラルウォーターのほとんどが軟水ですが、海外有名メーカーのものなど硬水も普通に販売されているため、購入時に確認するようにしてください。

また、「中程度の硬水」であればコーヒーの成分は溶け出しにくいとされており、軟水と合わせてコーヒーに適した水と言えます。

ヤマダ

実際、超軟水と言われている屋久島の水で淹れたコーヒーはかなりまろやかな味わいで、同じコーヒー豆を使って淹れたのが信じられないほどでした…。

コーヒーの苦味成分が溶け出しやすい硬水では、しっかりとした苦味を感じることができます。
一方で酸味は感じづらくなります。
キレのある苦味をコーヒーに求めている場合は硬水で淹れるのがおすすめです。

ヨーロッパは硬水が多いため、苦味を生かしたエスプレッソの文化が発達したという説もあります。

多量のミネラルを含んでいる非常な硬水は、コーヒーに含まれるカフェインやタンニンの抽出が抑えられてしまいます。
また、鉄分がタンニンと結合して硬い舌触りになるのが特徴です。

非常な硬水で淹れた場合、コーヒー本来の風味を楽しむことが難しく、また見た目もやや濁ってしまうことがあります。

先ほども紹介したとおり、日本の水道水は軟水であるためコーヒーに適した水と言えます。
そのため、水道水でおいしいコーヒーを淹れることが可能なのですが、その際の注意点を3つ紹介します。

飲み水はある程度二酸化炭素を含んでいるものの方がおいしく感じられるため、一度沸かして二酸化炭素の含有量を増やしましょう。
また、一度沸かすことで水の安全性がグッと高まります。

一度沸かした水を使用した方が良いのですが、沸かせば何でも良いというわけでもありません。
2度沸かしや長時間の沸騰はケトルや空気中の成分が溶け出すことで水の中の不純物含有量の増加につながってしまいます。新鮮な水を使うようにしましょう。

蛇口を開いてすぐの水は水道管の中に滞留していた水です。
直前に水道を使用している場合は気にしなくて構いませんが、蛇口を開いてすぐの水は使用せず鮮度の良い水を使用するのがおすすめです。

「おいしいコーヒーを淹れたい」と考えた時、誰もがコーヒー豆や抽出方法には拘りますが使用する水にこだわる人はかなり少数です。
しかし、コーヒーの大部分は水でできているため水が与える影響が大きいのも事実。
水にもこだわりを持ち、あなただけのおいしいコーヒーを淹れましょう！

ワンランク上のコーヒーになること間違いなしです。
ぜひ試してみてくださいね。