毎年のように上昇していく物価。これはコーヒーも例外ではありません。
それどころか、値上がりする品目の中でも特に値上がり率が高いのがコーヒーなんです。
なんと2025年のコーヒー豆(アラビカ種)の先物価格は、データを遡れる1979年以降で最高値を記録しています…。
一体なぜここまで値上がりしているのでしょうか?
値上がりに関わっている様々な要因について徹底的に解説していきます。
また記事の後半では、値上げが続く中でもお得にコーヒーを楽しみ続けるための方法について紹介しますので、ぜひチェックしていってください。

みんなで値上げの波を乗り越えましょう!!
コーヒー/コーヒー豆が高騰している


近年、様々な要因からコーヒーの値上げが続いており、コーヒー愛好家にとっては苦しい状況です。
この値上げはコーヒーを淹れる際に絶対に欠かすことのできない「豆」の値上げに伴うものであるため、カフェで飲むコーヒーに限らずコンビニのコーヒーやスーパーに売っているインスタントコーヒーなど、すべてのコーヒーが値上がりする状況となっています。
主なコーヒーの値上げ一覧


では具体的にどのぐらいの値上げとなっているのでしょうか。
近年価格が改定された主なコーヒーについて表にまとめました。
店舗 | 改定内容 | 改定時期 |
---|---|---|
セブンイレブン | レギュラーサイズを10円値上げ(110円→120円) | 2025年3月4日 |
ローソン | コーヒー全サイズ10円の値上げ | 2024年12月10日 |
ファミリーマート | コーヒー全サイズ10円の値上げ(Sサイズ120円→130円) | 2025年3月3日 |
スターバックス | ほぼ全ての商品を対象に4〜28円の値上げ | 2025年2月15日 |
タリーズ | 主要メニューを5〜36円値上げ | 2024年12月26日 |
ブルーボトル | 全商品を5〜8%値上げ | 2024年7月1日 |
コメダ珈琲店 | 値上げ予定なし | – |
マクドナルド | コーヒーSサイズを20円、Mサイズを30円値上げ | 2024年1月16日 |
モスバーガー | ブレンドコーヒーを10円値上げ(290円→300円) | 2025年3月19日 |



ドトールも2024年12月12日より、ブレンドコーヒーの価格を30円値上げしました…。
家庭向けのインスタントコーヒーなどの値上げも続いており、味の素AGFやUCC上島珈琲など大手メーカーにおいて2025年中に15〜35%値上げされています。
また、「ネスカフェ」ブランドを展開するネスレ日本も、2025年2月から値上げの予定です。
ドリアン人気が影響?コーヒーの値上げが相次ぐ理由


直近だけでも多くのコーヒー関連企業で相次いでいる値上げ発表。
これには様々な要因が絡んでおり、その中には意外な理由も…。
コーヒーの値上げに関わっている要因について、ひとつずつ解説していきます。
コーヒーの値上げ理由①エルニーニョ現象による天候不順


まず挙げられるのが天候不順による不作です。
2023年はエルニーニョ現象による小雨の影響で地面が乾燥。樹木が栄養を吸う力が弱まってしまったことにより発育が悪くなってしまいました。
これにより世界有数のコーヒー生産国である、ブラジルやベトナムでの収穫量が大幅に減少してしまったのです。
⚪︎エルニーニョ現象とは?
熱帯太平洋で見られる現象で、数年に1度のペースで発生。エルニーニョ現象が発生すると熱帯太平洋東部の海面の温度が平年より高くなり、逆に西部では海面の温度が平年より低くなります。
この水温変化により、東南アジアや南米では少雨高温を招く可能性が。また、日本においては冷夏・暖冬になりやすいです。



2023年から2024年にかけては日本各地でスキー場がオープンできないなどかなりの暖冬でしたよね。
コーヒーの値上げ理由②円安による購買力の低下


為替相場もコーヒーの値上げに影響を及ぼしています。
これはコーヒーに限った話ではありませんが、多くの食品を輸入に頼る日本において円安というのは悩ましい問題です。
円安は読んで字のごとく「円の価値が安い」ことを意味しており、海外から物を輸入する際の購買力低下に繋がります。
(円安の例:1ドル100円から1ドル150円に変化した場合)
1ドルが100円から150円になるということは、1ドルの物を買うのに100円支払えば良かったのが150円支払わなければならなくなったということ→円の価値が下がってしまっている



日本はコーヒーの栽培には適さない気候のため、国内で消費するコーヒー豆のほぼ100%を輸入に頼っています。
そのため為替相場の変動はダイレクトに価格に反映されてしまい、値上げせざるを得ないのです。
コーヒーの値上げ理由③世界的なコーヒー人気の高まり


日本では元々一般的な飲み物であったコーヒーですが、そうではない国もありました。
しかし近年コーヒーを楽しむ人が世界的に増加しています。
特にアジアでは爆発的な広がりを見せており、多くの富裕層が飲み始めました。そして、中間層へと広がり、多くの方が飲むようになっています。
当たり前ではありますが市場価格は需要が多ければ高くなり、逆に需要が少なければ安くなります。



世界でコーヒーが人気になるということは需要の増加に繋がり、価格が上昇することになるのです。
コーヒーの値上げ理由④中国でのドリアンブーム


「何の関係があるの!?」と言いたくなりますが、コーヒーの値上げに影響を及ぼしているのが中国でのドリアンブーム。
なんとドリアンの人気が上昇することで、コーヒーの生産量低下につながっているのです。
ドリアンの主な生産地は東南アジアです。一方、東南アジアではコーヒーの栽培も盛んです。
しかし、中国でのドリアンブームによりコーヒーの栽培をやめてドリアンの栽培を始める人が増えているんです。
特にコーヒー豆生産量世界2位のベトナムでその動きは顕著であり、2021年比で13%もの生産量が減少しています。
このようにして市場に出てくるコーヒーの量が減ってしまったために値上げに繋がっているのです。
▽コーヒーの値上げ理由まとめ
・天候不順やドリアンへの転作による生産量の低下
・世界的なコーヒー人気の高まりによる需要の増加
→これらの理由により需要過多(需要が供給を上回る状態)となり、世界でのコーヒー価格が上昇
さらに日本では円安のため輸入にかかるコストが増大しているため、コーヒーの値上げが相次いでいるのです。



「コーヒーの値上がりがいつまで続くか?」ですが、一部地域で生産量が回復する兆しもあり、2025年後半以降には価格が安定または下落する可能性があります。
しかし、気候変動や需要増加といった根本的な課題から、長期的に高値圏で推移するリスクがあります。
コーヒーを少しでもお得に飲むためにはどうすれば良い?


コーヒーの値上げが相次ぐ中でもおいしいコーヒーをお手頃な価格で飲む方法があります。
それは「自分で淹れること」です。
確かにコーヒーの値段は昔よりも大幅に上がっていますが、例えばこちらのコーヒーの粉は1kg 2000円未満で購入することが可能です。


コーヒー1杯に必要な粉の量は10g程度であるため、これ1つで100杯のコーヒーを楽しむことができます。値段にするとなんと1杯20円以下です。
コンビニのコーヒーと比べても1/6以下の価格であり、コーヒーチェーンのコーヒーはもはや比べるまでもありません。



安くておいしいコーヒーって実はたくさんあるんです!
「お得なのは分かったけど、コーヒーを淹れるのって難しそう…」という方へ


「自分で淹れた方が安いことなんて分かっている。けど初期投資もかかりそうだし、そもそも何が必要なのかもわからない…。」
そんなあなたに、すぐに始められてなおかつ簡単なコーヒーの淹れ方を紹介します。
初期投資の目安も合わせてお伝えするので参考にしてみてくださいね!



コーヒーの抽出器具も物価上昇に伴い値上がりが続いております…。
気になるものが見つかった方は早めの購入がおすすめです。
ハンドドリップ


まず初めにおすすめしたいのがハンドドリップです。
ハンドドリップは抽出技術によって味わいが変化するため難しく感じられるかもしれませんが、だからこそ最初に試していただきたい方法です。
やればやった分だけ抽出技術は向上するため、続けているうちに自分の好みにぴったりのコーヒーを淹れられるようになります。
抽出技術が必要と言ってもバリスタ世界チャンピオンになった粕谷氏が考案した「4:6」メソッドを使えば、初めての方でもおいしいコーヒーが淹れられますよ!


また、最低限必要な道具を購入するのにかかるお金が少なく済むのもハンドドリップの利点。
100均で揃えることも可能なので、数百円の初期投資で始められます!(数杯淹れるだけで初期投資が回収できます。)
▽ハンドドリップに必要な道具はこちらの記事で確認してくださいね。


コーヒーメーカー


「抽出技術なんて全く必要なく、とにかく簡単においしいコーヒーを淹れられるのが良い。」という方にはコーヒーメーカーがおすすめ。
コーヒーの粉と水をマシンにセットし、スイッチを押すだけで数分後にはおいしいコーヒーが完成します。
また、1度に多くの量を抽出できるのもコーヒーメーカーのメリットです。「家族の分まで淹れたい」という方はコーヒーメーカーの購入を検討してみてください。
最近は安くて性能が良いコーヒーメーカーがたくさん販売されており、シンプルな機能のものは1000円台から購入可能。ご自身の用途に合ったものを探してみてくださいね!



どれにすれば良いかわからないという方は、まずはメリタのコーヒーメーカーがおすすめ。
味のバランスが良く、初心者の方でも使いやすいコーヒーメーカーです。




「せっかく機械を使うなら挽きたてのコーヒーが楽しみたい」という方は、多くのコーヒー愛好家に使用されているパナソニックの全自動コーヒーメーカーがおすすめです。
全自動コーヒーメーカーはミルがセットになっているため、粉ではなく豆の状態で機械にセットすれば挽くところから全自動で行ってくれます。
コーヒー豆のサブスクセットを利用すれば、初期投資を抑えながらコーヒーメーカーを利用することが可能。豆を買いに行く手間が省けるのも嬉しいポイントです。



新生活応援キャンペーンで今なら87%オフの初月500円で頼めますよ!
カプセル式コーヒーメーカー


「とにかく家でもハイクオリティのコーヒーを楽しみたい」という方におすすめしたいのが、カプセル式コーヒーメーカー「ネスプレッソ」です。
”誰が淹れてもプロの味に”を実現するネスプレッソならワンタッチでプロのバリスタが淹れたコーヒーを再現することができます。
また、カプセルはたくさんの種類があり本格的なエスプレッソからフレーバーコーヒーまで幅広く楽しむことが可能です。
あのスターバックスからもネスプレッソのカプセルが販売されており、ネスプレッソさえあれば自宅で気軽にスタバを楽しむことだってできてしまいますよ!
コーヒーメーカー自体もたくさんの種類があります。特にこだわりがなければ「ヴァーチュオ ポップ」が使いやすくておすすめですが、レンタルで利用することもできますので自分に合った1台を探してみるのもおすすめですよ!





他の方法に比べると1杯あたりのコストは上がりますが、1杯100円ちょっと。
しかもワンタッチでこのクオリティのコーヒーが飲めるなんて反則です…
番外編
ここまで紹介した抽出器具以外にもたくさんの抽出器具があります。
その中でも特にマキネッタとフレンチプレスは器具の個性を活かしてコーヒーを抽出できるおすすめアイテム。抽出方法もとても簡単ですので、ぜひチェックしてみてくださいね!







エスプレッソを淹れてみたいという方にはマキネッタが、コーヒーオイルを取り除かない濃いめのコーヒーを楽しみたいという方にはフレンチプレスがおすすめですよ!
値上げに負けずにコーヒーを楽しむには「買う」から「淹れる」に転換


コーヒーの値上げが続く苦しい状況ではありますが、「買ったコーヒーを楽しむ」から「自分で淹れたコーヒーを楽しむ」に転換する良い機会でもあります。
今まで何気なく買って飲んでいたコーヒーよりも自分の好みに合わせて淹れたコーヒーの方が何倍もおいしいのは間違いありません。
いつまで続くかわからないこの値上げの中、引き続きコーヒーを楽しみ続けるために。
今日から自分でコーヒーを淹れ始めましょう!



「道具を揃えたり色々と大変そう…」と思われた方は、お湯を注ぐだけでおいしいコーヒーが淹れられるドリップパックから始めるのもおすすめですよ。

