「妊娠中にはカフェインを控えた方が良い」とはよく聞くものの、コーヒー好きの妊婦さんはどうしてもコーヒーが飲みたくなる瞬間があると思います。
カフェインは身体に良い作用をもたらしますが摂取量によっては悪影響を及ぼすこともあり、特に胎児にも影響を与える可能性もあるとなると慎重にならざるを得ません。
そこで今回は、「カフェインが胎児に与える影響」や「妊娠時のカフェイン摂取の可否」について解説します。
カフェインが身体に与える影響
カフェインは眠気や疲労感を抑えるなど、身体活動をサポートしてくれる重要な成分です。
また、病気の治療などに用いられることもあり、私たちの生活に深く関わっています。
そんなカフェインが身体にもたらす効果としては次の5つがあります。
カフェインの効果
・眠気を抑える覚醒作用
・身体の中の血の流れを促進する血管拡張作用
・疲労感を抑える(減少させる)興奮作用
・胃酸の分泌を盛んにする消化促進作用
・老廃物の排出を促す利尿作用
いずれも良い効果ばかりではありますが、過剰に摂取すると悪影響を及ぼすことも…
1日の適切な摂取量など、カフェインについてもっと詳しいことが知りたい方は下記の記事をご覧ください。
カフェインが母体・胎児に与える影響
カフェインは身体に良い影響を与えてくれる一方で、摂取のしすぎは悪影響を及ぼすこともあります。
また、母体だけでなく、胎児にまで影響が及ぶこともあるため、妊娠中の方は特に注意が必要です。
妊娠中のカフェイン摂取はリスクを高める
妊娠中に大量のカフェインを摂取すると次のリスクが高まってしまうと考えられています。
・流産のリスク
・早産のリスク
・低体重のリスク
・低酸素状態のリスク
・発達障害のリスク
カフェインには血管を収縮させる効果があるため、妊娠中に大量のカフェインを摂取するとお腹の張りに繋がり、流産や早産のリスクを高めてしまいます。また、血管が収縮すれば血液を通して胎児に運ばれる酸素や栄養が減ってしまい、低体重や低酸素状態、発達障害に繋がってしまう恐れも。
さらにカフェインは鉄分の吸収を妨げてしまうため、妊婦さんの貧血や頭痛、不眠といった体調不良を招いてしまう可能性もあります。
産後はカフェインを摂取しても大丈夫?
産後であっても授乳中はカフェインの摂取を控えるようにしましょう。
なぜなら母親が摂取したカフェインは母乳を通して赤ちゃんにいってしまうからです。
母乳の中に含まれるのは母親が摂取したカフェインの1%程度ではあるものの、赤ちゃんに次のような影響を与えてしまうことが分かっています。
・興奮して落ち着かない
・寝つきが悪くなる
・不機嫌になりやすい
・泣く回数が増える
これらを踏まえると、産後であってもカフェインの摂取量には注意する必要があると言えます。
妊活中のカフェイン摂取は問題なし
一方で妊活中はカフェインの摂取を制限する必要はないとされています。
なぜなら、カフェインは2〜8時間程度で代謝・排出されるからです。長期間体内に残留することはないので心配する必要はありません。
なお、体外受精においても、適度なカフェイン摂取は妊娠(着床率)や出産に影響することは少ないとされています。
しかし、カフェインの過剰摂取は中枢神経系に作用し、不安や不眠を誘発してしまうことも。妊活中にイライラしたり、不安や焦りを必要以上に感じないためにも、カフェインの過剰摂取には注意が必要です。
妊娠中にコーヒーを飲んでも大丈夫?摂取量の目安は?
妊娠中にカフェインを摂取するのは控えた方が良いというのは事実ですが、全く摂取してはいけないということではありません。
以下は、食品安全委員会が公表している1日のカフェイン摂取量の目安です。
妊娠中であっても1日に200〜300mgであれば身体への悪影響はないとされています。
コーヒー1杯(150ml)に含まれるカフェインは約90mgなので、1日に2杯までなら悪影響は少ないと言えるでしょう。
しかし、カフェインへの耐性は個人差がありますし、コーヒーだけでなくお茶やチョコレートにもカフェインは含まれています。自身にとっての摂取上限を思いがけずに超えてしまうということがないように、気分転換したい時にだけ楽しむようにするのがおすすめです。
妊娠中でも安心して飲める!おすすめのカフェインレスコーヒーを紹介
「カフェインを控えた方が良いのはわかったけど、どうしてもコーヒーが飲みたい!」という方もいらっしゃると思います。そんな方におすすめなのが、「カフェインレス」や「デカフェ」、「カフェインフリー」と呼ばれるカフェイン含有量が著しく少ない(あるいは含まれていない)コーヒーです。
カフェインレスコーヒーとは?
カフェインレスコーヒーとはカフェインを90%以上カットしたコーヒーのこと。
コーヒー豆だけでなくインスタントコーヒーにもカフェインレスの商品があります。
全くカフェインが含まれていないわけではありませんが、カフェイン摂取量をほとんど気にすることなく飲むことができます。
デカフェ、カフェインフリーとは?
カフェインレスコーヒーとは異なり、カフェイン含有量を限りなく0に近づけたものを「カフェインフリー」や「デカフェ」と呼びます。
日本には明確な基準がありませんが、EUではカフェインの含有量0.2%以下、インスタントコーヒーでは0.3%以下など一定の基準があり、その基準をクリアしたものだけがデカフェと呼ばれます。
海外ではデカフェと表記されることがほとんどですが、日本ではどちらの表記も使われるため覚えておきましょう。
カフェインを気にしないで飲めるおすすめのドリンク3選
PostCoffee(ポストコーヒー)
TBSテレビ がっちりマンデー!!でも紹介されたポストコーヒーは世界中のスペシャルティコーヒーを取り揃えた日本最大級のコーヒー豆専門通販サイトです。
自分に合ったコーヒーを見つけられる「コーヒー診断」を無料で行うこともできるため、それだけでもサイトを訪れる価値はあるでしょう。
品質の高いスペシャルティコーヒーをデカフェで味わいたい方はぜひ試してみてください。
極・馨-Gokkoh-(ごっこう)
「お腹の赤ちゃんを守る妊婦さんや、授乳しているママさんに”ほっとするひととき”を贈りたい」そんな思いから生まれた極・馨-Gokkoh-は安心安全へのこだわりが強く、カフェイン含有率は0.1%未満となっています。
また、通常のコーヒーだけでなくベリーやナッツなど様々なフレーバーコーヒーも楽しめます。
ベルタルイボスティー
最後に紹介するのは、コーヒーではありませんがリラックスタイムの相棒にぴったりのルイボスティーです。ルイボスティーは原産の南アフリカでは奇跡のお茶として愛されるほど人気の飲み物。
カフェインが全く含まれていないため、いつでも安心して飲むことができるのが嬉しいポイントです。
カフェインについて正しい知識を持ち、妊娠中も上手に気分転換を!
妊娠中や授乳中はカフェインを控えた方が良いというのは間違いありませんが、だからと言って全く摂取してはいけないというわけでもありません。我慢のしすぎでストレスを溜めることも身体には良くありませんので、極力我慢しつつも気分転換が必要な時はコーヒーを楽しんでください。
また、我慢できない時はデカフェコーヒーなども活用することも大切です。先ほど紹介したように、最近はデカフェでも種類が豊富でおいしいものがたくさんあるのでぜひ試してみてくださいね!