朝にコーヒーを飲んでも目覚めは良くならない？朝コーヒーのメリットとデメリット

2024年4月19日2024年7月6日

”目を覚ますために毎朝コーヒーを飲んでいる”という方いらっしゃいますよね？
実はそのコーヒー全く意味がないのかもしれません。

コーヒーの効果を最大限発揮するためには、正しい知識を持つことが大切です。
本記事では朝コーヒーのメリットやデメリットについて解説します。

”朝、目覚めるためのコーヒーは意味がない”

アメリカの神経科学者のスティーヴ・ミラー氏は「コーヒーを飲むのに最も適しているのは日中のブレイクタイムであり、朝目覚めるためのコーヒーは意味がない」と語っています。

一体なぜなのでしょうか。

朝はコルチゾールの値が高い

理由はホルモンの分泌にありました。

ストレスのホルモンとも呼ばれるコルチゾールには、カフェインと同様に身体を覚醒する作用があると言われています。そしてこのコルチゾール、一般的に朝の8時から9時ごろに多く分泌されるため、この時間帯にコーヒーを飲んでもコーヒーの持っている覚醒作用がコルチゾールの作用によって打ち消されてしまうのです。

それだけでなく、コルチゾールが体内にある状態でカフェインを摂取するとカフェインへの耐性がつきやすくなり、覚醒効果を得るために必要なカフェインの量が増加してしまいます。

コルチゾールは17時から18時ごろにかけても多く分泌されるため、この時間帯もコーヒーを摂取するのは控えましょう。

コーヒーを飲むおすすめの時間帯は9時半から11時半

ミラー氏は、コルチゾールの値が最も低くなる午前9時半から11時半にかけてコーヒーを摂取するのが最も効果的であるとしています。

コーヒーも薬と同じで、必要な場合に摂取してこそ効果を活かすことができます。
朝一番で飲むコーヒーはカフェインへの耐性をもたらす可能性がある上に覚醒効果はほとんどないため、目覚めのためにコーヒーを摂取している方は控えるようにしましょう。

ちなみにミラー氏は、すっきりと目覚めるためには「日光に当たるのが一番」と発言しています。

朝コーヒーに潜むデメリット

朝に飲むコーヒーはとてもおいしいですが、コルチゾールとの関係以外にもいくつかのデメリットが存在します。
身体に大きな悪影響を及ぼす可能性もあるため、注意が必要です。

血糖値の上昇

コーヒーはインスリンの働きを悪くしてしまい、血糖値を上昇させやすくしてしまいます。

そのため、朝一のコーヒーや食事前のコーヒーは血糖値の上昇につながるので注意が必要です。
どうしても朝にコーヒーを飲みたいけど血糖値が気になるという方は、朝食後に飲むようにしましょう。

腹痛を引き起こす可能性

コーヒーに含まれているクロロゲン酸には胃腸の動きを活発にさせて胃液の分泌を促進する働きがありますが、空腹の状態で胃液が出過ぎると腹痛や下痢を起こす原因になります。

朝は空腹であることが多いため、他の時間帯に比べてクロロゲン酸の影響が強く出やすいことに注意が必要です。

栄養不足

朝にコーヒーを飲む方に多いのが、朝食をコーヒーだけで済ませてしまうという方です。食べ物と一緒にコーヒーを摂取するのであれば問題ありませんが、コーヒーだけでは1日の活動に必要な栄養を摂取することができません。

また先述のとおり、空腹時にコーヒーを摂取することは腹痛につながる可能性があるので朝食はしっかりと摂るようにしましょう。

朝コーヒーがもたらすメリット

ここまで朝コーヒーのデメリットばかり紹介してきましたが、もちろんメリットもあります。
メリットとデメリットの両方を知り、自分に合うタイミングで摂取するようにしましょう。

副交感神経の活性化によるリラックス効果

京都大学の伏木教授によって、コーヒーを飲んだ後は副交感神経に支配される成分がより活性化することが明らかとなっています。つまり、コーヒーを飲むことでリラックス効果が得られるということです。

朝にコーヒーを飲めば、リラックスした状態で快適に1日を始められるでしょう。

ダイエット効果、脂肪燃焼効果

コーヒーにはダイエットに役立つ成分が含まれており、特に次の2つが効果的であるとされています。

クロロゲン酸：脂肪の吸収を抑制する効果及び血糖値の急上昇を防ぐ効果
カフェイン：リパーゼを活性化させ脂肪をエネルギーとして利用しやすくする効果

これらの成分を朝から摂取することで脂肪を燃焼しやすい状態で1日を過ごせるようになります。

また、ホットコーヒーには体温を上げる効果があるため代謝の促進にも繋がり、ダイエット効果を最大化することができるでしょう。

便秘解消効果

コーヒーの成分は消化器系にも影響を与えます。
特に朝の時間帯においては腸の蠕動運動を刺激し、便意を促す効果が高いとされています。

この方法が合うかどうかは個人差がありますが、便秘で悩まれている方はぜひ1度試してみて下さい。

コーヒーを飲むおすすめの時間帯｜効果を最大限にするのはいつ？

朝コーヒーのメリットとデメリットを踏まえ、コーヒーを飲むのに最適な時間帯はいつなのでしょうか。
デメリットを最小限にしつつもメリットを得られるおすすめの時間帯を紹介します。

1番のおすすめは9時半〜11時半

やはり1番おすすめの時間帯はコルチゾールが減少する9時半〜11時半ごろです。
コルチゾールの増加する時間帯にコーヒーを飲むのは、覚醒効果が期待できない上にカフェインへの耐性が高まってしまいメリットがありません。

朝一のコーヒーはなるべく避けるのが良いでしょう。

「どうしても朝にコーヒーが飲みたい！」という人はどうしたら良いの？

朝一にコーヒーを飲むのは避けた方が良いとわかってはいても、どうしても飲みたいという方も少なくはないはず。
そんな方は少し早起きをして、起床後1時間以上経過してから飲むことをおすすめします。コルチゾールの分泌のピークは起床後1時間以内と言われているため、コルチゾールの自然なピークを避け、カフェインのメリットを活かすことができます。

ただし、その場合においても空腹の状態では飲まないように注意して下さい。