三洋産業はフラワードリッパーだけじゃない!隠れた名品扇形ドリッパーをレビュー

机に置かれたオレンジ色のドリッパー

フラワードリッパーで有名な三洋産業。
飲んでおいしいだけでなく、見て美しいフラワードリッパーは多くのコーヒー好きに愛用されているアイテムです。

しかし三洋産業には隠れた名品がありました。その名も「有田焼扇形ドリッパー」。
その名のとおり有田焼で出来た扇形のドリッパーです。一見普通の台形ドリッパーと同じに見えるのですが、随所に散りばめられた工夫によって独自の味わいを生み出すことに成功しています。

コクのあるコーヒーが好きな方にはぜひ使っていただきたいおすすめのドリッパーです。

目次

三洋産業は日本で唯一の「コーヒーと食のトータルサプライヤー」

三洋産業のロゴ
出典:三洋産業公式Facebook

温泉で有名な大分県別府市に本社を構える三洋産業は、コーヒー関連器具の製造をはじめ豆の焙煎や加工、レストランやカフェの運営などコーヒーを中心に幅広い事業を展開している会社です。

いわゆる中小企業という括りに含まれる会社ですが、2024年3月には経済産業省が全国約350万ある中小企業・小規模事業者の中から選出する「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選ばれるなど確かな実力を持った会社です。

世界で初めて円すい形フィルターを生み出した

机に置かれた円すい形フィルター

円すい形のドリッパーといえばハリオやKONOのイメージが強いと思いますが、円すい形フィルターを世界で初めて生み出したのは三洋産業でした。
現在でもペーパーフィルターに対するこだわりは強く、焙煎度ごとに異なるフィルターを用意されているほどです。

 

そんな三洋産業の代表的なドリッパーは、円すい形ドリッパーである「フラワードリッパー」です。淹れておいしいだけでなく見た目も楽しめるドリッパーで、多くの方に愛用されています。

またその実力は確かであり、ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ優勝の畠山大輝さんや、 2020年アメリカブリュワーズカップ2位入賞のランスヘドリックさんなどが使用していることでも有名です。

三洋産業の隠れた名品|有田焼扇形ドリッパー

机に置かれたオレンジ色のドリッパー

しかし、三洋産業にはもう1つ優れたドリッパーがありました。

それがこの扇形ドリッパーです。
有田焼で作られたこちらのドリッパーは三洋産業のこだわりが詰まった逸品。コク深いコーヒーを淹れることができる素晴らしいドリッパーです。

ヤマダ

私が人生で初めて買ったドリッパーがこちらのドリッパーでした。

扇形ドリッパーの4つの特長

オレンジ色のドリッパーの内側

一見、他社が販売している台形ドリッパーと同じように見える三洋産業の扇形ドリッパーですが、よく見ると様々な工夫が施されています。

コク深い味わいを生み出すためにこのドリッパーに搭載されている4つの特長を紹介します。

扇形形状

ドリッパーの比較2
扇形ドリッパー(右)の方が角度が鋭い

扇形ドリッパーは上部を正円ではなく楕円とすることで、ドリッパーの角度を鋭くしています。
これにより、抽出する際のコーヒー粉の層が深くなり、なめらかでコク深いコーヒーの抽出を可能にしました。

 

ドリッパー内部のお湯の流れ
複雑なお湯の流れ

また、扇形ドリッパーは円すい形ドリッパーと異なりドリッパー内部のお湯の流れが複雑です。
円すい形のドリッパーであれば、基本的な抽出方法さえ守ることで誰でもクリアですっきりとしたコーヒーを淹れることができますが、この扇形ドリッパーはお湯の流れを読みづらく、抽出方法で味が全く変わるプロ向けのドリッパーと言えるでしょう。

ヤマダ

他のドリッパーでは出せない味わいを出すことができるのが魅力です!

抽出口部分のリブ

ドリッパーの裏側

ドリッパー底部においてもスムーズにコーヒー液が流れるように、抽出口部分にもリブを設けています。

このリブがバキュームのような役割を果たし、下向きに引っ張る力が働くことでコーヒー液のスムーズな流れを実現。底部の過抽出を防いでくれます。

ドリッパーの大きさに合わせた抽出口の数

一つ穴のドリッパー

扇形ドリッパーでは抽出速度を大切にしています。

そのため、ドリッパーの大きさによって抽出速度が変化しないように抽出口の数をドリッパーの大きさに合わせて変更。
1〜2人用のドリッパーでは1つ穴、3〜5人用のドリッパーでは2つ穴としています。

ヤマダ

1つ穴や3つ穴のドリッパーは多いですが、2つ穴のドリッパーは珍しいので気になりますよね!

リブの深さとリブ線の数

オレンジ色のドリッパーのリブ

空気の層を確保するためにリブを高くし、リブ線の数を多く配置しています。これにより、コーヒー粉の膨らみを妨げません。

コーヒー粉をしっかりと膨らませることで、コーヒーの成分を十分に抽出することが可能にしました。

【レビュー】三洋産業の扇形ドリッパーを使ってコーヒーを淹れてみた

オレンジ色のドリッパーを使ってコーヒーを抽出する様子

実際に扇形ドリッパーを使用してコーヒーを淹れてみましたので、その感想についてお伝えしていきます!

見た目

机に置かれたオレンジ色のドリッパー

まずは見た目から。


さすが有田焼という仕上がりで高級感のある見た目になっています。
私が購入したオレンジ色は焼き物としてもドリッパーとしても珍しいカラーですが、インテリアとしても映えるような綺麗な色合い。

見た目で購入したという方がいるのも納得の美しさで、非常に満足度が高いです。

重さ

オレンジ色のドリッパーを計量する様子

重量は少し重めの約305gとなっています。(1〜2人用の場合です)

同じぐらいの大きさのプラスチック製のドリッパーは50g程度のものが多いため、普段陶器製のドリッパーを使われていない方からすると重量感を感じると思います。
屋外など自宅から持ち出して使いたいという方にとってはデメリットと言えるでしょう。

一方である程度の重量は抽出時の安定感が増すというメリットにもなるため、重量がメリットになるかデメリットになるかは使い方次第と言えそうです。

ヤマダ

私のように抽出中にドリッパーを倒したことがある方にはおすすめポイントかもしれません(笑)

抽出時の使用感

コーヒーの粉が膨らむ様子
わかりづらいですがかなり膨らんでいます

リブの数が多く、またリブの高さが高いため、一般的な台形ドリッパーと比較するとコーヒーの粉の膨らみが良いように感じました。

また、抽出速度もスムーズでサッとコーヒーが落ちていきます。

しかし、お湯を200ml投入したあたりから徐々に抽出速度が低下してしまいました。
小さめのドリッパーで400mlのコーヒーを抽出したのが問題だったのかもしれませんが、最後の方はお湯がドリッパー内に滞留する時間が長かったです。

2杯分を一気に抽出する時は、挽き目を粗くするなどの対応が必要だと感じました。

ヤマダ

1杯分だけをを抽出する際には特に気になりませんでした!

味わい

カップに注がれたコーヒー

気になるコーヒーの味は「コクが深くキレがある」という印象で、酸味は全くと言っていいほど感じられませんでした。

今回はグアテマラの中深煎りの豆を使用したのですが、同じ豆を円すい形ドリッパーで抽出した際は「すっきりとした酸味とほのかな甘味」という印象だったので、これはとても驚きの結果です。

ミルクや豆乳などと相性の良いコーヒーを淹れることができるドリッパーだと感じました。

三洋産業の扇形ドリッパーはこんな方におすすめ! 

机に置かれたオレンジ色のドリッパー(別アングル)

個人的な感想ではありますが、何度も使ってみて三洋産業の扇形ドリッパーは次のような方におすすめだと感じています。

・コーヒーに深いコクやキレを求める方
・コーヒーをブラックではなく、ミルクなどを入れて飲むことが多い方
・他の人と被らないオシャレなドリッパーが欲しい方

一方で次のような方には向いていないかなと感じています。注意してください。

・簡単に安定したコーヒーが抽出できるドリッパーが欲しい方
(扇形ドリッパーはお湯の流れが複雑なため、最初は味のコントロールが難しい)
・アウトドアなど、自宅以外にも持ち出して使用する機会が多い方
・コーヒーの酸味や甘味を楽しみたい方

こちらに該当する方は以下のようなドリッパーがおすすめです!

 

三洋産業の扇型ドリッパーでコク深いコーヒーを楽しもう!

窓辺に置かれたドリッパー

世の中にはたくさんのドリッパーがありますが、三洋産業の扇形ドリッパーはこのドリッパーならではの味わいを感じることのできる唯一無二のドリッパーです。

「コク深いコーヒーが好き」、「キレの良いコーヒーが飲みたい」という方はぜひ1度試してみてください。
お気に入りドリッパーとなること間違いなしです!

 

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