私はいわゆる「ミニマリスト」と呼ばれる側の人間です。
(あくまで”側”であり、完璧なミニマリストではないです。ミニマリストの皆様、勝手にミニマリストぶってすみません…。)
個人的には「物が少ない方が好きな人間」ぐらいに思っていますが、便宜上広い括りでミニマリストとさせていただいております。(笑)
そんな私ですが、コーヒーは人生の中でもかなり優先順位の高い項目であるため、コーヒーに関する道具だけは捨て切ることができませんでした。(道具を全て捨てて、ドリップバッグやインスタントを活用するのが最もミニマルだとは思っていますが…)
しかし、捨て切ることはできないながらも、何年もかけて厳選に厳選を重ねています。
そこで本記事では、自称ミニマリストの私が選りすぐった最高のコーヒー道具たちを紹介していきます。
今の道具まで絞りこむのに長い年月がかかりました…。
大量のコーヒー器具や書籍を購入したがほとんどは捨てた
私がコーヒーにハマったのは17歳の頃。たまたま家の近所にあるコーヒー屋さんでアルバイトを始めたのがきっかけでした。
最初は正直「コーヒーなんて苦い汁」ぐらいに思っていたのですが、バリスタとしての経験を重ねるにつれ、コーヒーの奥深さを知りどんどんのめり込んでいくことに。
気がついた時には、コーヒーに関するたくさんの器具や書籍に囲まれていたのです。(笑)
コーヒーの器具は場所を取る
それでも20歳ごろまでは物が多いことが気になりませんでした。
しかし、ふとしたきっかけから「ミニマリスト」と呼ばれる方々の考え方を知ったことで、「あれ、無駄なもの多すぎない?」となったのです。
とりあえず試してみたくて買ったドリッパーやいつか使うだろうと思っていたコーヒーメーカーなど、多くのものが自分の部屋の中に溢れており、5つもあるメジャースプーンに気がついた時片付けることを決意しました。
何をそんなに計量するんだって感じですよね。(笑)
そこからは早かったです。部屋の壁2面に設置していた収納を撤去し、そこにあったコーヒー器具を全て処分しました。
片付けが終わり、部屋のほとんどを占めていたコーヒー器具や書籍たちが無くなった時に感じた開放感は今でもよく覚えています。
コーヒー器具のメンテナンスは意外と面倒
コーヒー器具を処分することにした理由は、場所を取ること以外にもあります。
そのひとつがメンテナンスが面倒なこと。
例えばコーヒーメーカーは1度に複数人分のコーヒーを自動で淹れてくれてとても便利ではありますが、使い終わった後は給水タンクやサーバー、ドリッパー部などの洗浄が必要です。
また、機種によりますが数ヶ月に1度、石灰除去のためのクエン酸洗浄が必要であったりと意外と手間がかかります。
そのため、使う度に発生するメンテナンスの手間が嫌で段々と使わなくなっていくものも実は多かったのです。
片付けも面倒くさい
また、メンテナンスとも少し似ていますが片付けの手間も器具を使わなくなっていく理由の1つです。
コーヒー器具はコーヒーを淹れるときに机やキッチンに持ち出して使いますが、もちろん使い終わった後は片付けます。
これが地味に面倒。(笑)
ドリッパーなど小さなものはそこまで気になりませんが、コーヒーメーカーやエスプレッソマシンなんかは実に面倒です。
洗浄するのも手間ですが、洗ったものが乾くのを待ちその後に片付けようと思うと「後からでいいか」なんて思ってしまって片付ける気がなくなってしまいます。
こうした理由からもさっと乾いてすぐに片付けられる器具ばかりを使うようになり、そうではないものは段々と使わなくなっていきました…。
器具だけでなく抽出方法もミニマルに
しかしコーヒー器具の一斉処分に踏み切ったものの、やっぱりコーヒーは好きなので全ての器具を捨て切ることはできませんでした。
そこで私が下した決断が「コーヒーの抽出はハンドドリップに絞り、他のコーヒー関連の器具は全て捨てる」というもの。
ハンドドリップは以下の理由からミニマリスト向けのコーヒー抽出方法だと個人的には思っています。
▽ハンドドリップがミニマリストにおすすめのわけ
・使用する道具が少ない
・洗うものも少ない(基本的にはドリッパーとカップだけ)
・石灰除去のような定期メンテナンスが必要ない
・趣味にできるため、家での時間が充実する
・市販のコーヒーを買うよりコスパが良い(安い豆を使えば1杯10円程度で淹れられる)
個人的にハンドドリップコーヒーの味わいが1番好きだというのも、ハンドドリップに絞った理由の1つです。
こうした過程を経て、コーヒー器具を当初の1/10以下になるまで厳選した私が現在使用している道具を紹介していきます。
ミニマリストの手元に残った7つのコーヒー器具
私の手元に残っているコーヒー器具は全部で7つ+αです。(+αはアウトドア用の器具)
機能やデザイン、メンテナンス性など色々な観点から厳選に厳選を重ねて生き残った、私のお気に入り道具たちを紹介させてください。
ドリッパー(HARIO V60 粕谷モデル)
まず初めに紹介するのはドリッパー。これが私が持っているコーヒー器具の中で最もお気に入りのアイテムです。
おいしいコーヒーを安定して淹れられる性能はもちろん、色や形、有田焼の質感などなどその全てが気に入っています。
しかもお値段も2000円台と陶器製ドリッパーにしては意外とお手頃なのもおすすめのポイントです。
このドリッパーが1つあれば濃いめも薄めも自由自在です。
様々な味わいのコーヒーを抽出することができるため他のドリッパーは必要なくなりました。
詳細は別の記事でまとめていますので、良かったらチェックしてみてください。
ちなみにペーパーフィルターもHARIOのV60フィルターを使用しています。
サーバー(KINTO SCS-S02)
サーバーはKINTO(キントー)のものを使っています。
このサーバーは他のサーバーと異なり、側面にごちゃごちゃと文字が書いていないのがお気に入りのポイントです。
一般的なサーバーは抽出量の目安とするために目盛りや数字、文字などがほぼ確実に書かれているのですが、こちらのサーバーは”点だけ”。
この点が抽出量の目安となってくれます。
基本はスケールを使ってコーヒーを淹れるため、目盛りを見ることはほとんどありませんが…。(笑)
また、すっきりとした無駄のないフォルムは曲線部分が少なく、洗いやすさ、水切れ共に抜群です。
ミニマルなデザインと機能性を両立しており、これ以上のサーバーはないと感じています。
スケール(TIME MORE basic+)
電源が入っていない時には、ただの黒い箱のようにさえ見えるミニマルなデザイン。
この美しさがTIME MORE(タイムモア)のスケールの1番のお気に入りポイントです。
しかし、使い続けている理由は見た目だけでなく性能も最高だから。
スケールとタイマーが1つになったこのコーヒースケールは、圧倒的な精度や抜群の充電持ちを誇り、最高の使い勝手です。
こちらについても別記事で詳細にレビューしておりますので、良かったらチェックしてみてください。
なお、私が使用しているのは「basic+」ですが、現在は最新の「basic2.0」が同じ価格で購入できるため、こちらがおすすめです。(+とは異なり2.0は流速表示にも対応しています。)
ケトル(HARIO V60 ドリップケトル)
ケトルはHARIO(ハリオ)V60ドリップケトルです。
直線的でシンプルなデザインと注ぎやすさが気に入っています。
元々はバルミューダのザ・ポットという電気ケトルを使用していたのですが、常に見える場所に置きっぱなしになるのが嫌でした。かと言って、使う度に収納から出してコンセントにプラグを刺して、使い終わったら乾くのを待ってまた収納して…というのもめんどくさいため手放すことにしたのです。
ハリオのケトルはIHクッキングヒーターで使用していますが、お湯を入れてIHのスイッチを押すだけでお湯が沸くので手間も電気ケトルと何ら変わりませんし、軽量のためコーヒーを淹れる際も負担になりません。
また、洗剤で丸洗いできるため衛生的と圧倒的に電気ケトルより優れていると個人的には思っています。
マットブラックもなかなかおしゃれ。
色によっても価格が異なるのでチェックしてみてください。
メジャースプーン(Kalita コーヒーメジャー)
メジャースプーンはKalita(カリタ)の銅製のものを使用しています。
冒頭でも触れたとおり、私は一時期5つもメジャースプーンを持っていました。
そこからこのスプーンを残したのは、銅で作られたシンプルで美しいデザインが気に入っていたのと”カリタ製”というのが大きな理由。
カリタの優れた物作りの技術に加え、スプーンの容量が好みだったのです。
あまり知られていませんがメジャースプーン1杯あたりの容量は次のようになっており、個人的にはカリタのものが最も使い勝手が良かったです。
ハリオ | 約12g |
カリタ | 約10g |
メリタ | 約8g |
カリタは1杯で10gというのがわかりやすく、他のメーカーのものは段々と使わなくなっていきました…。
キャニスター(ドトール)
私は過去に個人経営のコーヒー屋さんに加え、ドトールでもバイトをしていました。
そこを辞める時にいただいたのがこのキャニスターです。
当時、500円程で販売されていたもので200gちょっとの豆を保存しておくことができ、ちょうど良い容量です。
また、金属製のキャニスターは「耐久性、遮光性が高く軽量」という特徴を持っており、性能面でも優れています。
シンプルなデザインで気に入っていますが、現在は廃盤となってしまっているのが残念です…。
ミル(Kalita クラシックミルBR)
最後に紹介するのはコーヒーミルです。
私が持っているコーヒー器具の中で最も長く持っているのがこのミルです。
コーヒーにハマった当初に購入し、ずっと愛用してきました。
途中、3度か4度電動のミルに浮気をしましたが電動のミルは手入れがめんどくさくなり、結局手挽きのミルに戻ってきました。(笑)
1度に大量の豆を挽かれる方は電動のミルが良いと思いますが、私のように1〜2人分しか挽かないのであれば手挽きミルの方が使い勝手が良いと思います。
こちらのミルはデザイン・機能面・メンテナンス性などどれをとっても最高です。
特に、置いているだけでサマになるレトロでかわいらしいデザインが気に入っています。
もちろん機能面も優れており、搭載されているアルミ製の刃は切れ味抜群。粒度分布も良いです。
また、ある程度重量があるためミル本体が安定しているため、とても挽きやすいのも嬉しいポイント。
加えて、構造がシンプルで清掃がしやすくメンテナンス性も抜群です。
このミルは私が一生手放すことがないだろうと確信しているコーヒー器具です。
番外編(アウトドアコーヒーで使う道具たち)
「ここまで紹介した7つのアイテムが私が持っているコーヒー器具の全てです!」と言いたいところなのですが、実はこの他にも4つのアイテムを持っています…。
言い訳をさせていただくと私には登山という趣味があり、山で飲むコーヒーが最高なのですがこれまでに紹介したアイテムはサイズや重量の関係で山に持って行くことができないのです。
登山は衣食住をバックパック1つに詰め込む必要があり、大きさや重量はかなりシビアなのです…。
そこで、登山用としてコンパクトかつ軽量な器具を4つ持っているのです。
これらを家でも使えば良いのですが、デザインや機能などが家で使用しているアイテムたちの方が好みであるため、ずーっと悩んでおります。
とは言いつつも、これから紹介する4つのアイテムも登山用として厳選に厳選を重ねたお気に入りアイテムです。
ぜひチェックしてみてください。
ドリッパー(UNIFLAME コーヒーバネット)
登山用のアイテムとして最初に紹介するのはUNIFLAME(ユニフレーム)のコーヒーバネットです。
こちらのドリッパーはアウトドアでコーヒーを楽しまれている方で知らない人はいないと言うぐらい、昔から愛されている名品です。
軽量でコンパクトに畳むことができ、組み立てるのもとても簡単。
コンパクトになるドリッパーは凝ったギミックを使っているために組み立てが難しいものも多いのですが、コーヒーバネットはシンプルな構造で使うのもメンテナンスも楽です。
コーヒーの味わいもアウトドア中にぴったりのすっきりとして飲み口のコーヒーに仕上がるため、最高のドリッパーです。
詳しいレビューは別記事で紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
サーバー(曙産業 ストロン400)
サーバーは曙産業のストロン400を使用しています。
こちらのサーバーの最もお気に入りのポイントは「割れない」というところ。
登山中はバッグに岩が当たったり、転倒したりと荷物に衝撃が加わることも少なくありません。
そんな中でも安心して持ち運べるストロン400はアウトドアでコーヒーを楽しむ者にとって強い味方になってくれる存在。
また、蓋が付いていてコーヒーが冷めづらかったり、電子レンジや食洗機に対応していたりと日常生活でも使いやすいサーバーです。
ケトル(trangia TR-325)
trangia(トランギア)のケトルはデザインと軽量なところがお気に入り。
無垢のアルミを使用したシンプルで無骨なデザインは飽きが来ることもなく、ずっと愛用していけます。
重量も140gと軽量で持ち運びの際に負担になりません。
コーヒーを注ぐ際にお湯を細く注ぐのが難しいところは欠点かもしれませんが、アウトドア用のケトルとしては十分な性能を持っていると言えるでしょう。
ミル(Zebrang ステンレスカッター)
最後に紹介するのはマットブラックのボディが目を惹く、Zebrang(ゼブラン)のステンレスカッター。
その名のとおりステンレス刃を搭載したこちらのミルは鋭い切れ味が特徴です。
山を登り切った後の疲れた体でもサクサク豆を挽くことができるため、登山中の相棒としてなくてはならない存在。
粒度分布もコンパクトなミルの中では抜群に良く、素晴らしい性能を誇っています。
それだけでなく、軽量・コンパクトというアウトドア用のコーヒーミルとして必要不可欠な要素も高いレベルでクリア。
「もっと早く購入しておけば…」と今でも思うほどお気に入りのアイテムです。
こちらのアイテムも別記事で詳細なレビューをしておりますので、ぜひご覧ください。
この性能でこの価格はコスパが良すぎます…。
厳選した道具でミニマルにコーヒーを楽しむ
「全然ミニマリストじゃない!」という声が聞こえてきそうではありますが、ここまでに紹介した11個のアイテムが私が現在所持しているコーヒー関連器具の全てです。
確かにドリッパーやケトルが2つあったりと最小限ではないかもしれません。
しかし、数多くのコーヒー器具を集めたくさん経験をした末に「ハンドドリップに絞る」という選択をし、そこに特化して厳選した結果が今の11個なのです。
また、余分だと感じたものを手放しひとつの行動(ハンドドリップ)に注力するということは、物だけではなく抽出方法も取捨選択しているということであり、十分ミニマルと言えるのではないでしょうか?
適切な物の量というのは個人個人で異なると思っています。
もっともっと厳選して1つにしても良いし、お気に入りの物ばかりであればたくさんあっても良い。
自分にぴったりの考え方を見つけ、最高のコーヒーライフを送ってください!